ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は最も大きな抗ウイルス薬市場を象徴し、現在、20以上の薬剤が使用可能なため、競争が非常に激しい。既存かつ新規薬剤クラスから成る多様なパイプラインは、市場を飛躍的に成長させ、治療パラダイムを大幅に変更させるであろう。
今回の報告書では、既存・将来の薬剤ターゲットを説明付ける病因や病態生理学、疫学、既存・新規治療法の評価、未充足ニーズ、七大医薬品市場(アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、日本)におけるHIV治療薬市場の10年間の展望について論じます。
今回の調査におけるキーポイント:
- 既存治療薬は、未治療患者には非常に効果的であり、特に2006年までにefavirenz(ブリストル・マイヤーズスクイブ社のSustiva)とemtricitabine/tenofovir(Gilead Science社のTruvada)の配合剤の上市が見込まれているため、新規参入は非常に困難である。徐々に競争が激化するなかで、新規治療薬は未治療患者セグメント市場に食い込むことができるのか?
- 2つの新規治療薬クラス(CCR5拮抗薬とインテグラーゼ阻害薬)からの候補薬剤は、開発後期にあり、間もなく上市される見込みである。これら新規抗ウイルス薬はどのような商業的可能性を秘めているのか、またどの薬剤が勝者となるのか?これら新規抗ウイルス薬クラスは、NRTI-sparingレジメンへのシフトを促進することになるのか?
- 2005年、グラクソ・スミスクライン社とブリストル・マイヤーズスクイブ社はHIV市場の中心であり、全売上高の50%以上を占めていた。開発後期にある非常に有望な候補薬剤を持つファイザー社、ジョンソン・エンド・ジョンソン社、メルク社、ギリアド社は、今後5-10年間でそれぞれ相当なマーケットシェアを獲得するであろう。これら各社の2015年にかけての展望はどうであろうか?
- 1996年以来、抗ウイルス薬は先進国において、HIVに関連した死亡やAIDSの発症を減らしてきた。その結果、HIV発症数の安定化にも関わらず、HIVの有病者数は増加している。今後10年間で、抗ウイルス薬療法は、HIV症例やAIDSと診断されるHIV症例の割合にどのような影響を及ぼすのか?
調査範囲:
| 対象国 |
アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、日本 |
| プライマリーリサーチ |
37名の感染症専門医への詳細なインタビューと多数の文献調査に基づく |
| 疫学 |
HIVの総有病者数、新たにHIVと診断された発症数、AIDSと診断されたHIV症例の割合 |
新規治療薬の評価 |
フェーズU(13品目)、フェーズV(5品目)、申請中(1品目)。市場に影響を及ぼすと思われる前臨床/フェーズIも含みます。 |
| 市場予測シナリオ |
(1)CCR5拮抗薬が未治療患者に対する標準的治療に劣る場合、(2)CCR5拮抗薬が主にX4-tropic HIV変異株への表現型転換を誘発した場合、(3)インテグラーゼ阻害薬が、効果や安全性のために上市されなかった場合、(4)NRTI-sparingレジメンがNRTIベースのレジメンと同等な場合 |