欧州呼吸器学会:COPD治療におけるICSとGOLDの改定

2017年9月25日
 
9月9日から13日まで欧州呼吸器学会(ERS)が開催され、2万5千人以上の参加者が集まりました。

ERSは有望な臨床試験のデータを公表する場として好まれており、早期からフェーズIIIまでの多岐に渡る薬剤がラインアップしています。

今年のメインテーマであったCOPDについては、ICSの使用や好酸球の働き、新規治療パスウェイ、そしてCOPDそのものの疾患定義に関しても議論があがりました。

今年GOLDの改定が行われたことも、その議論に拍車をかけました。

長年ガイドライン上ではCOPD患者の重症度判定に、FEV1測定値を用いI-IVの4段階で評価をしてきましたが、2011年の改定では、どの患者が増悪のリスクがあるのか判定するために、症状の評価、スパイロテスト、過去の増悪頻度を複合的に評価するABCDスコアリングシステムが導入されました。

2016年の改定では、この評価からFEV1値を削除したことが衝撃を与えましたが、2017年の改定では気流制限評価のためにI-IVのスケールを再導入し、同時に増悪リスク評価のためにABCDフレームワークを推奨し続けることとなりました。
 

ERS 2017

 

今回のシンポジウムでの中では、やはりICSを使用するか否かについても大きなポイントとなりました。

ノバルティス社は、多くの臨床試験での有効性と安全性のデータを根拠にグレードB、C、D患者へのLAMA/LABA併用療法を推奨しており、治療アルゴリズムの中からICSを取り除くことに対してウェルカムな体制です。

呼吸器ポートフォリオの中に、COPD治療のLABA/ICSやトリプルセラピー剤を持っていないことを考えると当然のことに思えます。

一方で、他の企業は現在グレードB・C患者に推奨されているICS治療の除外について強く反対しています。

注目すべきは、Cheisi社が新しいガイダンスに則った大規模なTRILOGY試験・TRINITY試験の再評価を行い、LAMA/LABA/ICS製剤であるTrimbow(グリコピロニウム/ホルモテロール/ベクロメタゾン)がLAMA単剤とLABA/ICSと比較し、増悪頻度を優位に減少させたデータを公表したことです。

LABA/ICSと比較し肺炎の発現率を増加させなかったことも明らかになりました。

GSK社もLABA/ICSとトリプル製剤を比較したデータを公表し、有効性と安全性を立証しましたが、多くの業界関係者はGSK社のIMPACT試験の結果を待ち望んでいます。

この試験は、トリプルセラピーとLABA/LAMAを直接比較した初の試験であり、ICSをアドオンとして使用すべきかという長年の疑問への解決の糸口になると期待されています。

 
ERSで議論されたCOPDに関するより詳細な情報は、弊社米国本社サイトにて記載しています。
ERS 2017: Unanswered Questions in COPD

尚弊社では、本学会の内容も反映した主要7ヶ国10年市場予測レポート:Disease Landscape & Forecast : COPDを発行しております。
 

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