嚢胞性線維症:高額疾患修飾薬が使用可能な患者数が激増

2017年8月9日
 
今年7月、米バーテック・ファーマシューティカルズ社が嚢胞性線維症(CF)に対する2つのトリプル製剤:ivacaftor/tezacaftor/VX-440・ivacaftor/tezacaftor/VX-152の良好なフェーズII試験の結果を公表しました。

これら薬剤の順調な開発により、バーテック社は競合を差し置いてほとんどのCF患者に疾患修飾薬(DMT)の治療選択肢を与えることで、本市場を独占することが予想されます。

 

cystic fibrosis

 

数年前までは、CF患者におけるCFTRタンパクの欠如は、対症療法である粘液溶解薬や抗生物質・膵酵素補充療法の組み合わせでのみ治療されてきました。

しかしこの5年の間に、バーテックス社はファースト・イン・クラスのDMTであるKalydeco (ivacaftor)・Orkambi (ivacaftor/lumacaftor) の承認を取得し、CFTR変異CF患者治療を飛躍的に進化させました。
 
CF治療初のDMTであるKalydecoは、優れた肺機能改善効果を示す臨床試験のデータによって、2012年にFDAから承認されました。

しかしその作用機序と使用年齢制限に基づく複数の適応拡大も関わらず、Kalydecoは米国におけるCF患者の10%以下のみが治療対象でした。
 
2015年には、バーテックス社は配合剤であるOrkambiを上市。臨床試験のデータは、少しばかりの肺機能改善効果と理想より低い安全性プロファイルを示したため、Kalydecoよりはインパクトは少ないものでした。にも関わらず、Orkambiは現在米国において6歳以上のF508 del遺伝子変異を有するCF患者への適応を取得しており、Kalydecoがターゲットとする患者よりも4倍近い患者が使用可能です。

この2剤を合わせると、バーテックス社単体で米国における約50%近いCF患者へDMTを提供していることになります。
 
現在開発中の薬剤が上市されると、その対象患者は全体の約80%まで膨れ上がり、市場はさらなる独占状態となることが予想されます。
 
弊社米国本社サイトのブログでは、バーテックス社のパイプラインの状況・価格戦略についても記載しています。

Vertex Pharmaceutical’s Novel Triple Combination Therapies

 
また、弊社発行の下記レポート:
2016 Cystic Fibrosis disease landscape & forecast report
では、米国・欧州における市場予測のデータや、治療選択肢の受け入れ度合い等についても調査しています。
 

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